世界を変える力

自己肯定感の低さと承認欲求

幼いころの記憶。
わりと器用で運動もそこそこでき、勉強の成績もよかったのに、一度も親に褒められたことがなかった。
『できて当たり前』『できないと努力不足』という評価の中にずっといた。
頑張らなくてもそこそこの成績だったし、頑張ってとびきりの成績になっても褒められないのだから、自然と頑張らなくなっていった。

常に自分に対し何か欠落しているように感じる半面、自分は特別な存在であってそれを他者に認めて欲しいと思ってた。
そんな矛盾する思いを持つことを長年母のせいにしてきた。無意識の意識の中で、ずっと母の期待を満たそうとしていたからだろう。そして、それが報われなかったからだろう、と。

そもそも、この考え方自体が大きな間違いなことに気づくのに、ずいぶんと時間がかかった。

私自身が出産・子育てをする中で様々な壁にぶち当たってきた。
最も大きな壁は『(母とは違う)子どもを受け入れ認める子育てをしたい』と思う反面、ふとした瞬間に『(母のような)子どもの個性や頑張りを否定するような言動をしてしまう』ということ。

たくさんの育児書を読んでるうちに出会ったのが…

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見一郎・古賀史健 著  20131212初版

読み進めるほどに自分を動けなくしていたものに亀裂が生じ、ぽろぽろと崩れていった。もしくは私の表面を冷たく硬く覆っていたものが熱を帯び、蒸発していった。そんな感覚。

私の人生を不自由にしていたのは母ではない。
母のせいにしていた自分自身だといい歳になってやっと気づいた。
「ほんとは自分は特別な人間なのに、母のせいで凡庸な人生になってしまった」と責任転嫁していたのだ。

一番『私』を信じ、受け入れることができてなかったのは私。
これからは自分が選んだ『過去』ではなく、自分の『今、ここ』を真剣に生きるしかない。
『「わたし」が変われば「世界」が変わってしまう。世界とは、ほかのだれかが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない』のだから。

バタフライ効果

蝶が羽を動かすと、空気中の微粒子を動かし、それがほかの微粒子を動かし、さらに多くの微粒子を動かす。そうしているうちに、やがて地球の反対側で竜巻を発生させる。

自分の人生の意義や社会への貢献、世の中での自分の影響力や存在価値について考えてるときに出会った一冊。

バタフライ・エフェクト 世界を変える
アンディ・アンドルーズ著/弓場隆訳  20110315初版

あなたは社会に貢献するために生まれてきました。
あなたには、世界を変える力が秘められています。
あなたの行為が世の中になんの影響も及ぼさないということはありません。
もしかすると、あなたの今日の行為がきっかけとなって、世界中の数百万人、あるいは数十億人の生活を変えることになるかもしれないのです。

(本文より)

自分の考え、行為や行動、そして存在価値に揺らぎを感じた時に、自分を励ましてくれる一冊。
母の死をきっかけに久しぶりに読み返してみたが、改めて勇気づけられた。
ひとつひとつは取るに足らないことでも、日々行動することでいつか必ず世界を変える力になると信じて。

さぁ!やるぞ!