心を満たす

そこにはお客様がいる

何の商売をするにしても、『お客様』が必ず存在する。
何の商売をするにしても、『お客様』に愛されなければ成功はない。
だからといって、『お客様』のためだけを考えて商売をするとなると、やりたくないことをすることになったり、そのせいで仕事が楽しめなくなったりすることになりかねない。
(例えば商品選びをする際、『自分が愛せる商品をお客様に届ける』から『売れる商品を仕入れて売る』となってしまう)
確かに一時的には儲かるかもしれない。儲かることがモチベーションの要素になるかもしれない。
けど、やっぱり本当にやりたいことでないと、続けていけないんじゃないかと思う。
だから大切なのはお客様に『何を』届けるかではなく、『どうやって』届けるかということだと思う。

ホスピタリティ

私自身、接客業も多く経験してきたし、今現在は不動産の賃貸営業をしている。
私がお客様と接する際、いつも心がけてるのは『お客様を大切にする』ということ。
一見当たり前のようだが、これがなかなかに難しい。丁寧に接するのではなく大切にするのだ。この違いが接客の違いになってくると思う。

今一緒に働くスタッフの中に接客素人がいる。

言葉遣いは必要以上に丁寧(尊敬語と丁寧語と謙譲語が入り混じって、ともすれば慇懃無礼とも思えるレベル)だけれども、全く心がこもってないのが伝わってくる。
もちろん接客業に従事する人がすべて心を込めているとは言わないが、少なくともそう見えるように立ち居振る舞うものなのだが、彼にはその姿勢すら見受けられない。
まぁ、彼は理系男子だし(別に理系をディスるつもりはない)、ずっと対人の薄い工場勤務だし(別に工場勤務をディスるつもりはない)、仕方ない部分もあるけど。
私が気になる点をいくつか。
と、私が「*接客のあるべき姿と思う物事」を併せて。


商品(不動産業では物件)を紹介する際もお客様の方に顔を向けず、PCや資料ばかりを見ている。
×これではお客様の機微に気づくことはできない。=お客様のニーズを把握できない。
*お客様に商品や資料を提示・説明しながら、お客様の表情だけでなく仕草にも注目し、会話を通じて細かいニーズをくみ取っていく。

電話応対の際、肩ひじをつき、いつもと同じトーンの声で話し、別の作業を進めながら応対するなどの「相手に見えてない」前提の態度でいる。
×見えてないからこそ聞こえてくる情報のみでお客様は判断する。思っている以上に、電話応対はお客様に与える心象に影響する。
*まずは相手が目の前にいる時と変わらない態度でいること。それに加え、相手がそこにいないからこそ、声だけで伝えなくてはならないことを意識し普段よりワントーン明るい声で話したり、言葉だけで伝えるためにわかりやすさを意識する。電話の相手だけでなく、電話応対をしている姿を、窓口に来店しているお客様や店外の通行人にも見られていることを認識する。

店に来た人が『客』・商品を『売る』・契約を『取る』という感覚。
▲これは営業職としては仕方のない部分もあるのかもしれない。なぜならば「ノルマ」というものがあるから。
私自身、生命保険の外交員をしたり、教育商材の販売をしたり、配送業で新規客の開拓をしたり…これまで「ノルマ」に悩まされたことは多々あった。そして今ももちろん目標契約数が課せられている。
かといって、私たちは押し売りや詐欺師ではない。商品は『購入いただく』ものだし、契約は『ご契約いただく』ものだと思う。
あくまで『選んで決めるのはお客様』
※私がお客様に商品を提示する際に心がけているのは、できうる限りお客様のニーズをくみ取ること・お客様のニーズに最適な商品を紹介すること。それだけ。
ノルマに悩まされることはあっても(そこには販売数・成約数×期間(←これが厄介)があるから)、結果が残せなかったことはない。
ほんの些細な会話のやり取りなどから少しでも多くのニーズを把握したり、短時間でも数多くコミュニケーションとるなどして、より相手の求めるものに近づく努力をすることと、その姿をお客様に見ていただくこと。

何なら商品よりも自分を売り込む努力が大切。お客様が求めるのは二次商品。

今のご時世、自分の欲しいものなんていくらでも調べてよりいいものをよりお得にゲットすることができる。
何かを欲しいと思ったとき、誰しもちょっとググるだけでいくらでも自分にとって有益な情報を手に入れることができる。
にもかかわらず、かなりの多くの割合で人は『人から購入する』のだ。
重要なのは『何を買う』でなく『誰から買う』かということ。
『人』にお金を払っているのだ。

であるなら、商売をしようと思ったら、『商品』ではなく『商品知識』ではなく、『商品をお勧めする自分』を磨かなくてはならない。
お客様が「あなただったら」お金を払いたくなるようなひとでなくてはならない。

ホスピタリティとはおもてなしとされているが、根本にあるのは思いやりの心だと思う。
相手に対し心配りができるかどうか。(こころくばり…心配と書く。表面だけでなく、掘り下げたところにまでいかに意識できるか)

私の思いに近いと思った書籍をふたつ

【新装版】ホスピタリティの教科書 林田正光著 20200322初版
絶対に身につけたい 本物の接客 菊池麻衣子著 20180919初版

どちらも単純に「よい接客」についてでなく、「お客様に本当に満足していただけるための心の持ちよう」についてよく書かれていると思う。

商売で起業するならまず心得ておくべき重要なポイントになると思う。

さぁ!やるぞ!