【事業計画】売るためには値頃感が必須

ものの値段設定って難しいと思う。
もちろん商品の値段って、それなりに「相場」ってものがあるとは思うが、面白いことに相場より安くても売れないこともあれば、めっちゃ高くても売れるものもある。

この違いって何なのだろう。

もちろん一番は需要と供給。
需要が多いのに対し供給が追いついてなければもちろん高くても売れるし、需要に対して供給があり余っていたら無料でも引き取り手がないかもしれない。
ただこれも難しいのが需要の中にあるニーズを考えなくてはならない。

例えば大きな工場の近くにあるふたつのお弁当屋さん。
もちろんその工場の休憩時間に合わせて弁当をつくることになるのだが、その場合どちらの方が売れるか。
どちらも商品が500円の唐揚げ弁当のみだったとして…
一方は注文を受けてから唐揚げを揚げて炊き立てのご飯を詰めてくれるが、受け取るまでに10分待たないといけない。
もう一方は休憩時間に入る直前までに弁当を詰め終えて棚に並べられており、支払いを済ませるだけで購入できる。
工場の人たちが昼休憩にお弁当を買いに来ることが間違いない場合、その需要に対してのみでなく、工場の人たちのニーズに答えてるのはどちらだろうか。
商品自体の魅力があるのは前者ではあるが、多く購入してもらえるのは後者となるだろう。
そこには「美味しいお弁当を食べたい」という気持ちより、「早く食事を済ませて、残りの時間をゆっくりしたい」というニーズがあるからだ。
つまり値段や商品の質だけでなく、需要があっても細かいニーズを満たせなければ売れないということだ。

次に商品そのものの魅力や価値。
これは言わずもがな

同じ値段のものなら内容のよいものが売れるだろうし、同じ商品ならより安い方が売れやすいと思う。そもそも価値がないと思うものに人はお金は出さない。
ただ、商品の魅力の中に「売る人の魅力」も入ってくるから難しいところ。
というよりむしろ、ものによっては、今の時代は誰から買うかが最重要事項かもしれない。
つまり「ファン」ができれば、相場より高い価格設定にしても負けないということになる。
逆に言えば、どんなにいい商品を安価で提供しても、売り手に魅力がなければ売れないこともあるし、質の悪い買い手が集まることにもなりかねない。
(私の経験的に、単に安価で商品を提供するお店は店員の質も客の質も悪いことが多い)

商品の価格設定は、商品の原価や経費に基づく利益を土台に、「誰に・どこで・何を・どのように」売るのか、その事にお客様がどの程度の満足感を得られるのかを考えて、適正に決めなければならない。
要は「値頃感」が大切ということ。
この「値頃感」を把握するのが難しいところなのだけれど…(@_@;)

どうしてこんなことを考えているかというと、きっかけは新しくできたお弁当屋さん。
月曜日の子ども達の振替休日の日に、おにぎりづくりの材料を買いに行く途中、通り沿いにお弁当屋さんがオープンしているのを発見!
せっかくだから昼ごはんにしようと買い物帰りに寄ってみた。

フルーツサンドと日替わり弁当のお店。
店内に入るとすぐのところにお弁当が並べられ、冷蔵ショーケースにフルーツサンドがあった。
店内にはイートインスペースもある。

お店に入ったときは誰もおらず、「いらっしゃいませ」の声も聞こえない。
少しすると奥の調理場から店員さん(?)が出てきたが…(-_-;)モヤリ
聞くところによると、先週オープンしたばかりということ。

日替わり500円でデラックス(ごはん・おかずが多く、フルーツ付き)が600円。
この日のメインは唐揚げで、副菜としてひじきの煮物と白菜の旨煮(?)、付け合わせの千切りキャベツと漬物。
フルーツサンドは数種類あり、全て1個350円。

お昼ごはん用に購入する気満々だったが、気持ちが萎えてしまった。
とはいえ入店した手前、手ぶらで出るのも気が引けたので、弁当とフルーツサンドをひとつづつ購入し、店を後にした。

「弁当の比較をしてみよう!」と思いつき、その足で彦島のスーパーとそのすぐそこにあるお弁当屋さんで、それぞれ弁当を購入した。

普段は弁当を買って食べることがないので利用することがないのだが、2軒目に行ったお弁当屋さんはとても感じがよかった。

日替わり450円・幕の内日替わり650円の他に色々な弁当があったが、どれも基本的に500円以下。
私が行った時点で日替わり3個・幕の内2個があり、私の前にはお客さんが2人(男性)。
一人が日替わり、もう一人が幕の内を手にレジへ。
するとレジの人が「もう残りこれだけなので、幕の内も通常の日替わりと同じ値段でいいですよ」というので、日替わりの人が幕の内に変更して幕の内売切れ。
この時点で私の心が少しモヤッと…(-_-;)
でもまぁ、日替わりも十分おいしそうだし、この内容で450円は安いと思えるものだったので、手にとってレジに持って行った。
するとレジの人が弁当を厨房の人に渡し、私に「魚フライは食べられますか?」と聞くので、「食べますよ。むしろ好きです」と答えたら、「目の前であんなことがあって申し訳ないので、魚フライ入れとくね」とおかずを追加してくれた。
一気に気持ちが(≧▽≦)⤴⤴
魚フライもそうだが、この心遣いがとても嬉しかった♡

家に帰り、3種類の弁当を見比べて食べ比べてみた。

ニューオープンのお店の日替弁当。

唐揚げをはじめ、どのおかずも美味しかった。
全体的に量が少し少なく感じたのと、(弁当は)日替わりのみの売り切りスタイルにしては500円は少し高いように感じた。
おかずの内容にも特色がない(「無添加」とか「地元食材のみ」など。ただの「手づくり」だけでは弱い)のと、ごはんが冷めていることが理由である。
レンチンしようにもアルミカップを使用していたので、そのままではできない。
商品の本命はフルーツサンドで、弁当はおまけなのかも?と思った。

スーパーの弁当(ひじきご飯弁当)。

ひじきご飯におかずが海老天・がんもどきの煮物・塩サバ・卵焼き・こんにゃくのきんぴら・コロッケ・漬物。
これで398円(税抜)!
やっぱりスーパーの弁当はコスパ最強!
冷めきってはいるが、レンチンできる仕様になってるので問題なし。
若干量は少なめだが、品数と値段を考えたら十分満足である。

最後に昔からあるお弁当屋さんの日替弁当(おまけつき)。

何てったておかずの数が凄い!
ハムカツ・チーズインバーグ・赤ウインナー・塩サバ・揚げ餃子・卯の花・野菜の炊き合わせ・刻み昆布の煮物・漬物。
そしてご飯は別容器に温かいものが。
おかずの中身は「業務用食材」が感じられたが、揚げ物に偏ったりもせず、野菜などもしっかり入っていたので、もちろん満足♡
それにごはんが温かいのも高ポイント。
しかも店員さんも感じがいいし、おまけまで(≧▽≦)「これで450円でいいんですかっ!?」って感じ。
スーパーが目と鼻の先にあるのにお客さんが絶えないのも納得。
ただ、スーパーが近くになければもう50~100円高くしても売れるだろうな…と思う。

今回の弁当比べで思ったのが、やっぱりお店によって商品も違えばその販売場所も方法も違い、それによって値段設定も変わってくるし重要だなぁ~、と。

現時点では自分が販売する商品とその価格は決めてはいるが、実際に販売を始めたら見直しも必要になってくるだろうと考えている。

まずは販売開始できる状態にしないとな。
さぁ!やるぞ!!

…あのニューオープンのお弁当屋さん、このままじゃ難しい感じがするけど、変化していくのかな?
これからどうなるのか注目しとこう。