認められる喜び

終業式が終わったあと、お昼ご飯を食べるために子ども達がバスに乗ってお店に来た。

まかないカレーを作ったところ、ぺろりとたいらげた。

この日はそこそこ調子がよくて、子ども達が来た時点ですでに用意した分が残り4個という状態だった。
とはいえ、いつも13時を過ぎると販売ペースがガクンと落ちる。
今回も売り切れるかどうかわからない。

ということで、まるさんに声掛けをしてもらった。

すると、一度購入していただいたことがある年配の男性が立ち止まって「あんたが声かけてくれたから買うてやろう」と。
その上、「お母さんの手伝いして、よう(よく)頑張っとるなぁ」と、子どもたちそれぞれに100円ずつくれた。
感謝!

商品を購入してくれたことはもちろん。
子ども達にお小遣いをくれたことももちろん。

それ以上に、子ども達に「認められる」ことを体験させてくれたことがありがたい。

親や家族でなく、先生でもなく、ご近所さんや知り合いでもない、全く知らない大人が自分の頑張りを認めてくれた。
なかなかできない体験だと思う。
その証拠に、子ども達は100円をもらったことを喜ぶ以上に、「こんなことがあっていいのだろうか(・_・;)?」といった感じで戸惑っていた。

昔は当たり前のようにあったことでも、今はあんまり見られなくなってきた地域の人との関係。
なんかいいなぁ。

ほぼ毎日来てくれるお客様に、「ここら辺も年々さみしくなってきてたところで…せっかくここで始めてくれたんだから、長くやってほしいのよ。応援してるのよ」言っていただいた(看板のアドバイスをくれた方です)。
その方は、言葉だけでなく、購入したお惣菜を知り合いに配ってくれたりもした。

そして、この度その方に「長く続けて欲しいと思うからちょっと嫌なこと言うけど…」と、料理の味付けに関する感想&アドバイスをされた。
「お料理自体は美味しいし、工夫されてるし、丁寧に作ってるのはよくわかるけど、『お弁当』としてみたらちょっとご飯とのバランスが…もう少し濃い味のものも入れた方が…ちょっと考えてみて」、と。
そして「嫌な思いをさせたらごめんね」と何度も。

嬉しかった。
認めてくれてるからこそなんだと思った。

まだ開店して何日も経っていないけれど、認めてくれる人がいる。応援してくれる人がいる。
これがあるから頑張れるんだと思う。

私たち家族、今までとはまた違った環境や状況での生活が始まって、これから色んなことがあるんだろうな…日々成長していけたらと思う。