相応の価値をつけるということ

「永(とこしえ)」さんに行って、ママさんと話して学んだこと。

以前、移動販売のお弁当を食べて「見た目は映えてるけど、内容的には値段が高いような気がする。3NASびならもっと・・・」と思っていたけれど、前言撤回。
利益目当てで値段を高くしているわけではなく、「自分が提供するものにちゃんと価値をつけてる」のだ。

私は魚食推進のために「お手軽さ」を意識していた。
「いいものをお手頃価格で」と考えていたのだけれど…それは一時的にはお客様に喜ばれることかもしれないが、長い目で見たら必ずしも正しいとは限らない、と。
どんな商品・サービスにしても、大前提として「長く続けられる」ことが必要で、慈善事業であれビジネスであれ、続けられてこそだ。

Instagramで「永(とこしえ)」さんをフォローしていて、投稿(料理)をいつも見て参考にさせてもらってるのだが、ママさんも3NASびのInstagramを見てくれてるらしく「3NASびのお料理の内容(食材や品数・手間暇など)的に今の価格は安いと思うし、容器など見せ方に工夫をしたらもっと価値に見合った価格にできると思う」という風に言われた。
「商圏的に低価格になるのも仕方がない部分もあるけれども、逆にきちんと価値をつけることで商圏を広げるのも大事」と。
きちんと価値をつけることで、その価値を求めて来店してくれる人を拡大していくということ。

以前、容器によってせっかくの料理が安見えすることに悩んだ時期があって、試行錯誤の結果「容器に費用をかけるくらいなら、内容を充実させる」としているのだけれど、それだけでは商品やサービスが喜ばれても広がりは少ない。
商品やサービスの価値に合った演出をしてこそより多くの人の目に触れるし、広がることも。
Instagramはその点でわかりやすい。
美味しいものは食べて満足だけど、そこに「映え」が加わるとシェア(投稿)につながる。
本当に多くの人に知ってもらおうと思うのなら、やはりこの辺も意識しなければならないということなのかもしれない。

前までのテイクアウトのみの時は「仕事中や生活の中での栄養補給」としての位置づけで、「高い」と言われることもあったし、それに対して何とか答えられないか悩むことも…(-_-;)。

その後店内ランチを始めたことにより、テイクアウトではなく店内で召し上がる新規のお客様が増えたのだが、逆に「安い」と言われることが増えてきた。

同じ商品なのに真逆の反応・・・不思議だ(@_@;)。

店内飲食とテイクアウト。
違いといえば「器」と「温度」と「コミュニケーション」か?
どれも商品(料理)そのものではなく「演出」だ。

他にはない「魚食」や「豊富な食材と品数」や「全品日替わり」というものに価値があるはずなのに、「演出」を疎かにしてしまったことで価値を下げてしまったのかもしれない(@_@;)。
というか、私自身が自分が提供している商品やサービスの価値を低く見積もっていたのかもしれない(@_@;)。

近頃よく利用してくださるお客様に、「毎日これだけの手の込んだものをこの品数つくれるなんて!しかも毎日違うものを!本当にすごいな~って感心します!」と言われた。

私的にはそこまで特別に苦労などしてやっている事でもないし、(品数は別にして)そもそも家のゴハンって毎日全品違うわけだし、「お店で(全品日替わり)やってるのは珍しいかもね~( ̄ー ̄)ニヤリ」くらいの感覚なので、そこまで価値があるとは思ってはなかったけれど、どうやらそうではないらしい(^^;)。

最近「安い国ニッポン」というのをよく見聞きする。
日本全体がより良い商品やサービスをより安い価格でというのが当たり前になっていて、いつの間にやら世界的に見たら日本は「安い国」になってしまってるらしい。
商品やサービスに対して相応の価格をつけられないから、いつまでたっても日本人の所得が増えないという状況。
日本には良くも悪くも「清貧」の精神が根付いてしまってることが原因なのかもしれない。
もちろんサービスや商品の提供者が不当な儲けを追うのは感心しないけれど、単純に安いもの(提供者が利益を追わないもの)をよしとするのではなく、提供者としても消費者としても「価値に見合った価格」を考えなくてはいけないのだろうと思う。

まずは3NASびの商品やサービスの価値について、もっと丁寧に考えてみたいと思う。
(単純に値上げをしたいということではないよ(^^;))