常日頃から食に関するアンテナを立ててる(つもり)。
飲食店やコンビニやスーパーなどでは売れ筋の商品や流行などをチェックしたり、仕入れの時だけでなく観光などで訪れた先でも何かいい食材や新しい・面白い素材はないか見て回ったり、書籍や動画などでほかの料理家さんなどのレシピや調理法などを学んだり、食にまつわるニュースなどはできるだけ深堀したり。
近々では、食中毒にまつわるニュースに関して自分の思うところをこのブログでも書いたりしたが。
ほかにもちょこちょこ気になるニュースもある。
今はチョット「味の素」論争が気になっている。
新聞やテレビでニュースとして報じられることはほぼないけれど、ネットニュースではちょいちょい上がる話題。
ホリエモンとか(バズレシピでお馴染みの)リュウジなどに対して、「味の素はカラダに毒だから使うな!」というバッシングをする人がいるらしく、それに対する反論で炎上したり。
確かにリュウジのレシピは味の素を多くの料理に使用しているけれど、それに対して「使うな」という人はどうかしていると思う。
リュウジは「何でもかんでも味の素を山ほど入れろ!」と言っているわけではなく、「使った方が美味しくなるなら、使った方が良いじゃん」というスタンス。
その上で自分が美味しいと思う料理のレシピを紹介しているだけなのに、それに対して「私が良くないと思うものを使ったレシピを紹介するな」なんて、あまりにも自己中すぎる言い分のように感じる。
「カラダに毒」と思うなら自分が使わなければいいし、気に入らないならリュウジのレシピで料理しなければいいだけの話なのに。
そもそも、味の素がカラダに毒って何を根拠に?って話。
(いわゆる)化学調味料=人工的につくられた身体によくないものという、不勉強な思い込みだと思う。
ていうか、味の素はサトウキビの糖蜜を原料に発酵法でつくっているものだし、主成分はグルタミン酸(昆布などのうま味成分)で、これのどこに「カラダに毒」な要素があるのか説明してほしい。
不勉強な人ほどやたら「化学」に否定的な傾向にあるように思う。
そのうえ、それを自分以外の人に押し付ける傾向が強いように思う。
自分のカラダや食の安全は自分で守ればいいだけの話なのに。
農薬やら化学肥料やらを否定するくせに、サラダに青虫が入ってたら大騒ぎするオーガニック信仰者なんかもそう。
私が子どもの頃なんか、キャベツに青虫がついてても「虫が食べられるくらい安全なものってこと」と、何ら気にすることもなかったけれど。
虫食い跡があっても、形や大きさがバラバラでも、多少傷がついてても、全然気にならない。だって、きちんと処理して料理すれば何も問題ないし。
けど今、スーパーや小売店で売られてる野菜は、形や大きさは揃っているし、傷や虫食いはほぼないし、虫なんて…。
「農薬や化学肥料を安全が確認されている範囲内で使用してつくりました」っていう、見た目がきれいで瑞々しい野菜
「家畜の糞尿や枯葉などを発酵させたものを肥料に、雑草や虫とともに育てました」っていう、形が不揃いで傷や虫食いだらけで、何なら虫がついている、泥臭い野菜
どっち買う?
つまりはそういうこと。
化学はより多くの人が求めるものに応えるためのツールであって、それを提供するのに莫大な量の人力と時間とお金がかけられているもので、現時点での「最適解」のひとつで、何ら否定されるようなものではない。と、私は思う。
味の素を否定するのならば、すべての合成調味料を使わないでほしいし、オーガニックにこだわるなら野菜以外の食材についても考えて欲しいし、何ならそういう人たちには是非とも自給自足してほしいと思う。
ちなみに、私は味の素は使わない。
それはカラダに害だからということではなく、「使わなくても美味しいなら、使わなくていいじゃん」と思うから。
それと子どもの頃に、味の素を単体で食べて、その味に(悪い意味で)衝撃を受けたから。
料理上手の母が、いろんな料理に味の素をひと振りしていたので、「さぞかし美味しいものに違いない!」と思い、(なぜだか我が家には1kg缶入りの味の素があった)スプーンですくって口に…瞬間吐き出した上に舌がビリビリ…苦い(不味い)思い出。