【メニュー開発】加工食品工場での経験を振り返る。

普段ほとんどテレビを見ない私が観る数少ない番組のひとつが「ガイアの夜明け」。

https://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

それもほぼ録画で隙間時間に見るのだが、今日はたまたまリアルタイムで見た。
題材は「冷凍食品」
このコロナ禍で、売り上げが増加しているジャンルのひとつ。

その商品開発の裏側に密着し、開発者の苦悩・苦労が捉えられてた。
映像を見ながら、思わずほんの1年半前まで勤めていた食品加工会社のことを思い出して、懐かしく思う。

https://www.maruha-nichiro.co.jp/

下関にあった工場の一角に「品質管理・商品開発室」があり、そこに派遣社員として約6年勤めていた。
はじめの頃は業務の大半が検査業務で、「商品に異常がないか」「製造工程に異常がないか」「使用機器等に不具合などないか」「従業員が規則を守れているか」などを毎日チェックしていた。
マニュアルに沿って行うだけの誰でもできる作業を積み重ねていった。
(とはいえ、この作業は現場のライン作業に従事する人からは嫌われる作業なので、実は長続きする人が多くない)
積極的に(半分興味本位で)受けることのできる研修は片っ端から参加したりもした。
そうすることで社員の信用を得て、少しづつ任される業務の範囲が広がっていった。

特殊な検査やデータ管理

商品開発での試食サンプルや営業サンプルの作成

商品の製品規格書・製造基準書の作成

リニューアル品・新商品の提案や配合作成

といった感じ。

商品開発(配合をイチから考える)を任されることも

基本的には新商品の開発などは本社の開発室で行われ、そこでの草案を基に試作をしていくのだが、時々本社の手が回らず丸投げされる案件があったり、定期的にある商品開発会議に工場提案品を発表したりといったことがある。

その業務も任されるようになった。
(というのも、先述した通りそもそも長続きする人がいない業務・環境なので、私ほど長らく務めた人がいないのも一因)

実はヒットメーカー!?

普通に商品が発売販売される分には、誰が開発したかなんて誰も知る由ない。
社内ですらほぼ知られることはない。
(特に当時の私のように派遣の身ならばなおさら。ただのゴーストである)

発売された商品を見て、人知れず秘かな感動を味わうのみ。
(けど、それが逆に自分だけが知っているという快感だったりもする( ̄ー ̄)ニヤリ)

まぁ、あんまりこのブログ見てる人もいないと思うので、「実は考えたの私!」を少し解禁。

これは社員さんが「果肉が入ってるのにゼロカロリー」をコンセプトの商品開発で試行錯誤しているところ、「どうせちょっぴりしか果肉が入れられないんなら、そのちょっぴりに意味を持たせたらいいんじゃない?」と提案してみたところ、「じゃあどんなのか作ってみて」と言われて作ったもの。

(ゼロカロリーにしようと思ったら、入れられる果肉なんて1~2粒。みかん味ゼリーにみかん果肉1粒なんてさみしいだけ。だから、全然違う方向にシフト転換して「そもそも少ししか果肉の入ってないもの」で考えたのね。)

その上「喫茶店のクリームソーダ」感を出すのに結構こだわってみた。

こちらは言わずと知れた有名キャンディーとのコラボ商品。

本社から「コラボ商品つくることになったのでよろしく~。参考のためにキャンディー送りま~す」と。
(いや、わざわざ送ってもらわんでも下関でも買えるし…(-_-メ))

コラボ商品なのだから、先方さんから何かしらのレシピや配合などをもらえるのかと思いきや、全然。
商品を食べて、その味を確認・分析してイチから再現していき、それを先方に食べていて承認されなくてはならないという作業。

マジか(゚д゚)!?
コラボ商品て、こんな感じなのね…

と思いながら、食品表示の原材料を確認したり、キャンディーを食べながら味を分解していく作業。

甘味・酸味・塩味などの強さや味を感じるタイミング、そのバランス。
本家の持つ多層構造を再現する方法や果実感の表現方法。
その上で、ゼリーになる良さを合わせる手法。
ビジュアル的な要素。
などなど。

ひとりで黙々モグモグ考えて提出した試作品が…
なんと一発OK!!

先方の担当者に
「ここまで再現されたのは初めて!」
と、絶賛されたらしい。
(私はゴーストなので直接この賛辞をもらうことはないのだけれど…(*´з`))

商品としては、もともと販売数・販売店舗限定の商品なのでそこまで話題にはならなかったけど、私にとっては誇るべき商品。

自分がつくったもので、誰かの気持ちが動くなんて素敵すぎるし、この感動は最高だと思う。
あぁ…またこんな感覚を味わいたいなぁ~(≧◇≦)

さぁ!やるぞ!!