ピンと来てないらしい

久しぶりに下関美術館に来た。

目的は、まるさんの版画が展示されてるとのことで、それを見に。
特にに賞を取ったわけでもなければ入選したわけでもないのだけれど、美術館に自分の作品が展示される機会もそう多くはないだろうと。

普段から絵を描くのが好きで得意というだけあって、版画でもなかなかに味わいのあるいい作品だ。
「釣り」という題材がいいのはもちろんだが、父っちゃさん(と思われる人)の表情も、魚が釣られている躍動感も、とても上手に描けている(と思うのは親バカ?)。

1階のフロア全体に市内各小中学校の子たちの作品が展示されていて、こちらは無料で観ることができるのだが、2階では別の有料展示が…。

「新・山本二三展」(最終日)

いつもだったら、目的のもの以外に行くことはあまりないのだが(しかも有料だし)、先日まるさんが「アニメーターになりたい」と言っていたので、何かの参考になるかも?と、見てみることにした。
アニメは見たことはあっても、それがどんな風につくられているかなんて、ほぼほぼ見たことないし知らないので。

山本二三さん…ぶっちゃけ初めて聞くお名前で(^^;)。
どうやらアニメーション作品の美術監督や背景を担当されてる方で、ジブリ作品をはじめ数々のテレビや映画のアニメーションを手掛けてる方で、ファンの間で「二三雲」と呼ばれる独特の迫力のある雲の書き方が特徴的らしい。
長崎県五島市の出身で、昨年お亡くなりになっている。

…で、展示を見ての感想を一言でいうなら…(;゚Д゚)スゴイ!

絵そのものがきれいで繊細で上手なのはもちろんなのだが、それらは一見写実的でありながら、実はそうではなく、あくまでアニメーションの背景としてキャラクター(の動きや表情など)や場面を効果的に引き立てるように描かれているのだ。
なので、実際にはありえない構図やアングルや色彩で描かれているのだけれど、それを全く感じさせず、あたかも美しい風景写真のようで…。
技術なのかセンスなのか経験なのか、いや、そのいずれもがかなりの高次元のもので、生み出された作品は、アニメーションの一部とは思えないほど圧倒的で、ただただ「(;゚Д゚)スゴイ!」としか言葉が出ないほどだった。

いや~…思わぬ形でいい経験ができたことに感謝。

で、そのきっかけとなった「アニメーターになりたい」と言っていた当人のまるさんは…絵の上手さやきれいさそのものは感じたようだが、それ以上はなく(^^;)。
私が解説を読んだり、それぞれの作品のポイントなどを説明したりしていたのだが、初めのうちは耳を傾けてはいたものの、あまり理解できない(退屈な)様子で、だんだんと作品を流し見るように進んでいった。

どうやら今回はいまいちピンとこなかったらしい(^^;)。
ちょっぴり残念な気持ちもあるけれど、こうして少しずつでも沢山いろんなものを見聞き体験して、本当に自分がなりたいものややりたいことを見つけることができてくれればいいかな?