食べたいものと食べて欲しいもの

毎日の献立について。

「毎日毎日、よく料理のアイデアが浮かぶね(@_@)」とよく言われるし、「いつもどうやってメニューを考えてるの?」とよく聞かれる。

日替わりの献立を考えるのに関して、は意外にそんなに大変な作業ではない。
というのも、「食材×調理法×味付け」をまんべんなく当てはめていくだけだからだ。
基本の形にアレンジを加えたり、色合いを考えたり、週や月単位でのバランスを調節したり。

食材:魚・肉・玉子や豆(豆製品)に野菜(葉物・根菜・実野菜/緑黄色・淡色など)にきのこや海藻など。
調理法:生食・焼く・炒める・揚げる・煮る・茹でる・蒸す(・和える)など。
味付け:甘味・塩味(醤油・味噌など)・酸味・辛味・マヨ味など。
アレンジとしては、例えば同じ酢の物でも梅・レモン・ゆず・黒酢などの風味を変えたり、辛味も唐辛子・柚子胡椒・からし・わさびなどいろんな種類がある。

とある方がこういう献立の立て方を「料理の型紙」と言っていたが、まさにその通り。

大変なのはおかずセットよりも単品。
基本的にはおかずセットを補完するようなものだったり、ランチ用と夕食用(おつまみ用?)であったりを想定して考えてるのだけれど…そもそもおかずセットが結構完成されてるので、なかなかに難しい(@_@;)。

和食と洋食と中華などで分けたり、おかずセットにない調理法のものにしたり(特に揚げ物かぶりにならないように注意)、あとはごはんものとか。

それらを考えつつ、やはり自分が食べたいものや食べて欲しいものもつくりたい。
ただその場合、「3NASびっぽくないメニュー」だったり、お客様にとって未知過ぎる食べ物だったりすることもある(^^;)。

この度、オープン当初に一度だけ提供した「美健餃子」を久しぶりにつくった。

これは見た目はふつうの餃子だけど、中の具が特殊で、鯵の身を荒くたたいたものに玉葱・生姜・みょうが・大葉などの香味野菜をたっぷり包んであるのだが、これが本当に美味で。

つくったきっかけは、仲卸の会社の社長さんに「(この味の食べ方)うまいからやってみ~」と言われたことだ。
最初は通常の餃子の肉を鯵に置き換えるところから始めた。
これでも十分美味しいのだけれど、「もっとおいしくする方法があるはず!」と試行錯誤を重ねて今の形になった。

本当にめっちゃ美味しいし、そのうえ普通の餃子以上に健康にもいいのでたくさんの人にお勧めしたいし、3NASびの名物メニューにしたいくらいなのだが…。

ではなぜオープン当初以来のお目見えとなったのか?

まず第一に、つくるのが非常~~~に!手間がかかるのだ。
その割に(工場大量生産品の影響もあるのか?)餃子は安価で認知されてるのが困りもので…。

第二に、あまりにマニアックな商品過ぎてお客様の手が伸びにくいということ。
味の想像ができなさすぎると、購買意欲につながらない。
お客様に食べていただけないなら、せっかくつくっても…と。

そんなこんなで、「美健餃子」の商品化は一旦お蔵入りにしたのだけれど、今回復活させてみた。
1年以上いろいろ提供する中で、お客様から3NASびの味への信頼が少し築けた気がしたので。

召し上がった方の評価としては、まずは「これが魚?」と「味めて食べる味」と「想像と違う味」という驚き。
そのうえで「美味しかった(≧▽≦)」と。
おおむね好評。
(よかった(*´▽`*))

肉と違って提供できるシーズンは限られるけど、今度はそう遠くないうちにまたつくってみようかな?

私が食べて欲しいと思うものを、お客様が食べてみたいと思ってもらえるように、日々精進しなくては!