見えないお金

今現在、お魚は父っちゃさんの勤める仲卸の会社から仕入れている。
仕入の価格を抑えるために色々な方法をとっているが、その中のひとつとして「バラ」出の購入がある。
「バラ」とは、魚体の大きさなどが無選別の状態の事である。
主に、単体では値段がつかないような小型のものが多いのと、中には傷などがあるものが多いのが特徴である。

未調理のまま販売するのが難しい状態のものでも、調理や加工しての販売なら「見た目」などの問題はほとんどない。それは魚に限ったことではなく、野菜や肉や加工品などでも同様だ。

ただ、そこで問題になってくるのは「調理後の状態を揃える」こと。
調理前の状態がどうであれ、調理後の量や味付にばらつきがあるようでは、よろしくない。

なので、「バラ」で仕入れたものを、一定の状態になるように加工・調理しなくてはならないのだが、これが実に面倒くさい。
市販のお魚が高価格になる大きな理由がこれではないかと思う。お魚に限らず野菜や肉でもそうかも?

現時点では「バラ」で仕入れたものを、調理・加工する前段階までの一次加工(いわゆる「魚のシゴ」)は父っちゃさんがしてくれていて、それを私が大きさや重量を揃え、調理・加工して、販売できる「商品」にしている。

この方法で、原価率や販売価格はかなり抑えることができているのだが、ここには「見えないお金」が含まれていない。
その大半が、父っちゃさんの「人的費用」である。

通常、魚屋さんやスーパーなどで販売されているお魚さんには、そこに並ぶまでにかかったあらゆる費用や利益が上乗せされた価格になっている。
スーパーなどで、購入したお魚の三枚おろしなどの一次加工のサービスなどがあるが、それももとより価格に乗っているのだ。

父っちゃさんの会社では、お魚の一次加工も事業として行っており、買い付けたお魚を調理しやすい状態まで処理してもらうこともできるのだが、現時点ではそれはお願いしていない。
今の段階ではいろいろ難しい問題があるのだ(@_@;)
もちろん一番は原価率。
まだまだオープン間もないこともあり、日々の販売数が多くないうえに安定しない。
そんな状態で原価率を上げることはかなり厳しい状態。
(いや…私が「それなりのもの」を販売しようと思えば可能なんだけど、そこはやはり「他とは違う美味しいもの」にしたいというこだわりがあるので(^^;))

「より多くの人に美味しいお魚を食べて欲しい」
「無駄にされていくお魚を少しでも減らしたい」

そんな私の思いや考えに父っちゃさんが協力(ただ働き)してくれてる状況。
けれども、少しずつ認知も上がったり、安定しないながらも販売数も増えつつあるでの、もう少し頑張れば、こうした「見えないお金」問題も解消していけるんじゃないかと思う。

それにしても、本当に魚が高いのって「手間賃」だなって思う(*_*;

追記
さすがに父っちゃさんに任せっぱなしでは申し訳ないので加工場をお借りして、魚のうろこ取りをしたところ、自分が魚になるんじゃないかというほど鱗まみれになり、一次加工の有難みを実感しましたm(__)m