簡単なようでそうでもない

「まちづくり会社[『ARCH』」が運営するもののひとつとして、シェアキッチンがある。

飲食店を始めたい人が開業前のパイロット店として利用できるということなのだが…。

ぶっちゃけて言うと、かなり難しいように思う。

本格的に飲食店を始めようと思っている人が、こうしたシェアキッチンなどを利用してのお試し営業をするのは、かなりリスクが高いというか、心が折れる原因にもなりかねないというか。

その理由は「集客」と「収益」。

そもそも、開業に向けての具体的な計画があって、それに向けての下地づくり(SNSなどで発信してのファンづくり)をしたうえでの、集客に関する条件(立地や席数などの店舗条件)での合致があってのものでないと、「パイロット店」としての機能を果たさない。

営業・運営の面でのお試しではなく、メニュー開発のため(試作・試食)ならやってみるのもありかとは思うけど…そっちに目的を置くなら、場所なり人なりに人が集まる要素があって、そこそこの集客ができないと意味がないというか…。

(以前の私もそうだが)なんとなく飲食店って簡単にできそうな感じがするけど、実はそうでもなくて。
っていうか、むしろ数多くある事業の中でかなり難しい部類だと思う。
いろんなリスクが多いし、ロスが多いし、とにかく収益が出にくい事業だ。

その中でも特に在庫リスクとロスは大きな問題で。

飲食物の提供となると、原価(原価率)ばかりに目が向きがちだが、実はそれ以上に意識すべきは在庫リスクとロス、つまりは「お客様が来なかったとき・商品が売れなかった時に発生する経費」だ。

原価率70%でも完売すれば利益は出るし、原価率10%でも1割しか売れなければマイナスだ(原価以外にかかる諸々の経費についてはここでは無視)。

シェアキッチンでのスポット営業では、よほど集客や販売の道筋を立ててないと、収益は出ない。
「場所代」がかなり割高だからだ。
そのうえ、売れなかった商品はロスに直結。
同じスポット営業でも、まつりやイベントならそれなりの集客は期待できるし、商品が割高でも売れやすいので、収益は出るんだろうけれど。

そんなこんなを踏まえて。

ご飯屋さんの開業を夢見る方が、お店を始めるまでの試行錯誤のひとつとして、今月から「ARCH豊前田」のシェアキッチンで月2回ランチ営業を始めるという情報があったので、ウォッチ!

初回の出店を、実施前~実施後の発信などで様子見してたのだが、「爆死」であっただろうと察する(-_-;)。
2年以上に渡り、試行錯誤右往左往を続け、即死レベルの爆破を何度も喰らって満身創痍の3NASびならではの経験則なので、実際はどうかはわからないけれど。
メニュー構成・商品展開・発信・集客・場所代・(ロスを含め)原材料費その他諸々…ド!マイナスだったのではなかろうか…?と。

とはいえ、シェアキッチンでの営業では収益が出ないことなど、ある程度想定内だろうから大した問題ではないと思う。
何より気にすべきは、メンタルだ。

「来客0(ゼロ)」を想定しているならいいが、「満員御礼」「完売御礼」を夢見てウキウキで営業して、実際そうはならなかった時…時間をかけて心を込めて用意した料理を処分しなくてはならない時…この精神的負担はかなりのものだ。
私自身、何度もこれで心が折れそうになった(-_-;)。

…ということで、応援半分・視察半分で、えんさんまるさんに食べ歩きミッションで行ってもらった。

お料理の味は普通にうま今田だったらしい(←誤変換ではない)。
盛り付けも、前回のをインスタで見たのより良くなってたらしい。
けれど(やはりというべきか)、えんさんまるさんが訪問した際(12時半過ぎ)は、他のお客様はおらず…。

まぁ、まだ2回目なので、これからどう展開していくのか楽しみではあるが、しばらくはいばらの道であろうと(3NASびは未だにいばらの道中)。

事前に綿密に計画立てて数字に心折れることもあれば、とりあえず始めてみて現実に対峙して心折れることもある。
いずれにしても、何かを始めることも、何かを続けることも、強いメンタルが必要。

頑張れ!
頑張る!

そうは言っても、精神的負担が一番かかるのは「撤退・損切」の決断らしいけど(^^;)。
「これ以上、頑張らない決断」ね。