近頃、相方さんが仕事での不満が増えてきている。
下関にある鮮魚の仲卸の会社で経理を担当しているのだが、日々お金に関する悩みが尽きないらしい。
というのも、利益を生み出せる状況にありながら、そうならないからだという。
原因は経営陣の「今までのやり方を変えない」ことにある。明らかに不採算な取引からの撤退を提案しても「付き合いもある」「ウチが助けてあげないと」と損切りしようともせず、無駄を減らし利益を確保するための経費削減などを提案しても、「現場の士気が下がる」とか訳のわからない理由で拒否されたりするらしい。
「今のやり方を変えない」≒「今までと同じ採算の取れない事業を継続」「今までと同じ無駄を生み出し続ける」ということなので、融資を申し入れても、当然銀行には損切りや改善を求められる。
それを経営陣に訴えても、「マイナスの部分はプラスの取引で穴埋めすれば…」などと本質から外れた見解しか持ってもらえず、いくら「マイナスを切れば会社はすでにプラスに転じることができる」と説明しても、聞く耳を持ってもらえないという。
相方さんはこの状態に辟易しているのだ。
私の見解としては、相方さんの会社の経営陣は、経営者ではない、と。
仕方ないっちゃ仕方ない。そもそもなろうと思って社長になった人ではないのだから。
前社長が病気で急逝してしまったが故の繰り上げ昇格。
実務としての社長業はできるかもしれないけども、思考が追い付いてないのだ。
「今まで通り」を変えないのでも変えたくないのでもなく、変えられないのだ。
変えた先がどうなるのかが想像できないのだ。
先を展望しての判断ができない。とにかく今まで潰れてこなかったやり方を継続することで、最悪の事態だけは避けられると思っているのだ。
たとえ儲からないとしても潰れることはない、と。
この変化の激しい世の中で、今まで潰れなかったからといって同じやり方が失敗しない保証などどこにもないのに。っていうか、むしろ時代に合わせて変化することはできないことこそ破滅に向かうこともある。
相方さんは経理担当で、会社が融資を受けている金融機関の担当者から直接不採算の理由を聞かれるし、対処を直接求められる立場にある。
このままでは会社に利益は出ないし、融資を受けることも難しくなってくるのがわかっているのだ。
このままでは絶対にいけない!
とはいえ、いきなり大改革を提案しても理解されず拒否されるのは目に見えてるので、まずは草の根運動のごとく、現状でしばらくの間不採算になっている取引から手を引くことや、疎遠になっているにも拘らず季節の挨拶(お中元・お歳暮・カレンダーなど)だけ送り続けているのをやめるような、マイナスを減らすための小さな改善提案をしても、それすらも「今まで続けてきたことを変えたくない」の一点張り。
例えば、何年も何の取引もない会社の担当者とされる人に何年もお中元・お歳暮を贈り続けてるにもかかわらず、相手方からはお礼状の1通も届いてないのだ。
なので、会社としてはこうした何のメリットもないことはやめようという提案をするも、拒否。
こうなってくると、会社にとってマイナスの相手から、個人的に利益を受けているのでは?という疑念さえわいてくる。
さて、どうしたものか…