お弁当という形なだけ

今月の初めから、毎週末1週間の献立の振り返りをするようにしている。

それにしても、オープンから早3カ月(臨時休業もあったけど)、よくネタ切れせずにやってこれたなぁと我ながら感心する。

それもこれも豊富な食材があってこそだ。
漁師さん農家さん畜産農家さんのおかげ、そして自然の恵みに感謝。

とはいえ、日々調理する私にも産みの苦しみはあるわけで…

提供してきた料理を振り返るたびに思うのが、「弁当に入るような料理じゃないよね…(^^;)」。
それは当然のこと。お弁当をつくろうと思ってやってないから。

いかに毎日美味しく楽しく食べてもらえるか?
カラダもココロも喜ぶような料理をつくりたい。
想いは料理屋さんや家族のご飯をつくるお母さん。

お弁当ではなく「食事」をつくっている。
お弁当というのはただの型にすぎない。
なので、時々(結構)テイクアウト容器に入れることを考えるのを忘れてしまってメニュー構成してしまうことがある。
そんな時は容器に入れた際のビジュアルがイマイチになってしまうのだ(-_-;)。

時々、お向かいに住む年配のご夫婦におかずセットを食べてもらう。
奥様が昔、飲食店をされてたということもあり、よく気に掛けてくださり、おかずについても色々とアドバイスをくれたりもする。

的確で参考になる場合も多いが、時に的外れなことも…
低温で6時間煮込んだ骨付き豚肉を「あの鶏肉、赤みが残ってたからもう少ししっかり炊いた方がいいよ」と…骨付き肉=鶏肉だし、低温料理も知らない。情報がアップデートされてないのだ。

そしてよく言われるのは
・お弁当はもっと味付を濃くしないと!
・お弁当はもっと汁気を少なくしないと!

言わんとすることはよくわかる。
味付けを濃くしないと冷めた状態でごはんが進まないし、汁気を少なくしないと傷みやすいし持ち運ぶときにこぼれやすい。
確かに弁当ならそうだ。

けど私がつくりたいのは弁当じゃない。
毎日毎日味の濃いパサパサのものばかり食べててカラダやココロが喜ぶはずはない(と思う)。

少し前に、この奥様が「作りすぎたから」と、私に自作のお弁当をくれた(わざわざお店に電話してきて「お店が終わったら取りに来てね」と)。
つくりすぎたのではなく「お弁当とはこうだ!」というのを見せたかったのだろう。
その日の夕食でありがたくいただいた。

決して味が美味しくないということではないが…(むしろ美味しい)
どれもこれも濃い塩味か砂糖醬油味で、汁気はほぼない。
使われている素材は魚・肉・その加工品・乾物・蒟蒻などで、野菜はほぼない(醤油色になるまで炊かれた山菜と漬物くらい)。なので彩りもあまりよくない(ほぼ茶色)。
美味しいけれど、毎日食べたいとは思わないし、全然ときめかない。

ぶっちゃけ弁当のアドバイスは必要じゃないし(弁当らしい弁当なんか作ろうと思えばつくれる)、あまりにも古かったり偏ってる情報も欲しくない。
気に掛けてくれるのは嬉しいしとてもありがたいけど、「弁当屋」へのソレはいらない。

「弁当はあくまで型」というのがどうにも伝わらないのが厄介なところ(*_*;

最近少し「アレ(*_*;!?」と思うこともチラホラ…
今回の弁当くれる件もそうだけど、こないだは「私の体の調子がいいときに肉団子とか作ってあげるけぇ~、お店で使ったらいいよ」と…(@_@;)

リタイヤ世代によくある「自分だってその気になればまだまだ٩(`ω´)و!」ってところなんだろうけど、人の褌で相撲を取るようなのはちょっと違う気がする(-_-メ)あ…愚痴になってる…イカンイカン