商圏散策、コワーキングスペース編。
今回はランチ以外の人の動きにも注目。
「コワーキングスペース」というものの需要について把握したくて。
私自身、「コワーキングスペース?そんなのいる?」って思ってたのだが、それはイマイチ(下関では)浸透していないだけで、そこそこの都市には当たり前のように街中や何なら駅中など身近にあるものらしく、利用者も少なくないらしい(お仕事で全国を回ることが多く、現在長期出張で下関に滞在している方のお話)。
そもそもコワーキングスペースとは何ぞや?
『コワーキングスペースとは、年齢や性別など関係なく、異なる職業や仕事を持った利用者たちが同じ場所で机や椅子、ネットワーク設備などをシェアしながら、仕事をする場所のことです。』
ふむふむ。
基本的には、シェアオフィスなどと違い、実務を行う場所が個室ではなく図書館のようなオープンスペースとなっているのだが、「コワーキングスペース」としてしっかりとワークスペース(デスク、チェア、PCモニター、個室ブースなど)や会議室が用意され、インターネット環境(Wi-Fi)・OA機器(プリンターやコピー機など)・専用ロッカー・ドリンクコーナーなどが整っていたり、その他さまざまなサービス(↓)が備わっているものもあるらしい。
(法人登記用の住所使用・郵便物の受け取りや転送・電話の取り次ぎ・ビジネスマッチング・専門家による支援・(セミナー、交流会など)イベントの開催etc)
とはいえ、そこまでいろんなものが備わっていなくとも、最低限、机・椅子・ネット環境がある共有スペースであれば、図書館やカフェやネカフェ、何ならホテルのロビーやフードコートでさえ、「コワーキングスペース」となり得るのだ。
では、どうして?どんな人に?コワーキングスペースが必要なのか?
機能面以外でコワーキングスペースを利用する目的として、
・在宅勤務において直面する孤立感という問題を解決する
・家庭で働くことによる集中力低下となる材料を回避することができる
というのがあるらしい。
なるほどなるほど。
そう考えると必要性が理解できる気がする。
というのも、私も(仕事ではないが)ハンドメイドの作業を自宅ではなく、あえて図書館やフリースペースでしていた時期があるからだ。
と、「コワーキングスペース」について基本的なことを理解したうえで、いざ!
まずはランチタイム前、ランチタイム後に「コワーキングスペース」として使われそうな場所をまわってみた。
カフェ・(この日は図書館が休刊日だったので)図書館と同施設内のフリースペース・ホテルのロビー・フードコート、そして「コワーキングスペース」。
カフェ。
下関駅近くには有名な大手カフェがあり、そこにはパソコンで作業する人がちらほら。
駅から少し離れた無人カフェ(300円のドリンク1杯購入でフリータイムで利用可能)には外国人の学生らしき人が二人。
個店のカフェや喫茶店にはワーク系の人はなく。
フードコートでドリンクのみでパソコンを使っている人もいるにはいた。
一番コワーキング(仕事や勉強)をしている人が多かったのは図書館と同施設内のフリースペース。
パソコンを使っている人もいれば、本やノートを使用している人も(仕事ではなく勉強?)。
そしてガチのコワーキングスペース。
この度、3NASびから遠くないところに去年できたコワーキングスペース『ARCH豊前田』を訪問。
以前、お弁当を買いに訪ねたことはあったが、コワーキングスペースとしては初めて利用した。
率直な感想としては、「他の場所とは違い、利用するのにかなりハードルが高い(@_@;)」。
まず施設に入る前段階として、「LINEのお友達登録→予約→クレカ決済」の手順が必要。
クレカ決済ではなく現金払いもできるが、その場合はそれに沿った手順が必要。
(今回は単発の時間利用なので現金払いで利用した)
施設に入場すると、ちょうどスタッフの方がいたのでいろいろお話を聞いた。
まずは一番気になった「利用のハードルの高さ」。
これについては、LINEだけでなくメールなどでも事前の予約は必須(訪問直前ドア前であっても要予約)ということで、「何となくふらっと覗いてみた」はできないシステム。
更に言うなら、ネットを利用してない人にとってはそもそも利用することすら難しいシステム。
基本的にはビジネス(や勉強)での利用をする人向けの施設のようなので、利用のハードルを高くすることはひとつの方法なのかもしれない。
となると、この「コワーキングスペース」がある地域はとても高齢者が多いので、地域の人に向けた施設ではないということになるが…?
(私が入場方法についていろんな質問の仕方をしたのだが、応対してくれたスタッフの方は、そもそもネットを利用しない人種が存在することを知らないかのような理解度だった(-_-;))
ビジネス系の人に特化した施設ならば何ら問題はないと思うのだが、『ARCH豊前田』は調理スペースも併設されていて、お弁当やお菓子の製造販売ができるようになっていて、起業前のチャレンジの場所としての利用もできるようになっている。
そちらを利用する人がいる時には、施設に入るのはフリーで予約はいらない(販売されているものを購入するだけの人に限る。イートインしたり個室を使うためには手続きが必要)。
静かに仕事に没頭したい人と、できるだけ多くのお客様に来てもらい手ごたえを実感したいチャレンジャー。
住み分けが難しそうだが…(-_-;)。
それにしても、今回見て回って思ったのが、「何を基準に選んでいるのかを見極めることがかなり重要」ということ。
立地、価格(有料無料含め)、サービス内容(ネット環境・設備・ドリンクなど)、ご利用の客層などなど。
いろんなものが複雑に絡んでいて…。
重要な要素の一つとして「価格」だけを考えてみても、今回最も人が多かった図書館と同施設内のフリースペースのは、「無料」というだけではなく、「雰囲気が整っている」ことが選ばれる理由なのではないか?と。
設備としては「FreeWi-Fi」「デスク」「チェア」のみ。
個室もなければOA機器もない。
ただ静かで全面ガラス窓で眺めがよく採光性が高い。
音楽も流れてなくとても静か。
まさに仕事や勉強に「没頭できる場所」。
というのも、同じように無料の場所が欲しいだけなら、フードコートでもいいはずなのに、こちらは仕事や勉強をしている人はほぼ見当たらず、(ランチタイム以外では)目と鼻の先にある(有料の)カフェの方がコワーキング利用の人が多い。
あまりにもオープンでフリーすぎると、雰囲気が壊されて居心地が悪くなるのではないかと思う。
もしかしたら価格以上に設備以上に、そうした雰囲気づくりや居心地づくりの方が大切なのかもしれない。
続?